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2022.09.07 / Info

来たる9月9日(金)、
飯能フレッシュホップIPA、遂に開栓。

一年でたった一度、僅かな期間しか味わえない幻のビール。

一つ一つ手摘みで選別した朝採れホップを、今年は過去最大量使用。

今だけの格別な香りをお楽しみ下さい。



<取り扱い店舗>

CARVAAN BREWERY & RESTAURANT(飯能本店)

CARVAAN CRAFT BEER & GRILL(飯能駅前店)

※CARVAAN CRAFT BEER & GRILL(飯能駅前店)につきまして暫く休業とさせていただきます。
  営業再開次第、お知らせ致します。
CARVAAN TOKYO(渋谷スクランブルスクエア店)

CARVAAN Delicatessen & Beer stop(東急フードショーしぶちか店)

CARVAAN BAY YOKOHAMA(コレットマーレ店)

自社ホップ栽培への挑戦
CARVAAN BREWERYが飯能の地でホップ栽培を始めて7年。
ホップはビール醸造の基本を構成するもの。麦の味わいは勿論大切だが、ビールの香り、苦み、泡持ちの良さを惹き出すのはホップの役割。ビールのキャラクターはホップによって決まると言っても過言ではない。

それほどに大切なホップだが、大手企業による直接買い占めにより、日本国内生産のホップは入手が困難な状況にある。
日本のマイクロブルワリーの多くは、輸入商社を通じて海外産のホップを購入することが大半で、限られた種類の原料の中から選ばざるを得ない。加えて、日本国内で自社栽培のホップを有するブルワリーもそう多くは無いのが現状だ。

CARVAAN BREWERY & RESTAURANTを飯能の地に開いたのは2017年。
少子高齢化が進み、消滅可能性都市となった飯能市。アラビア世界を主軸とした輸入貿易業を営む私達の強みと、この大自然に囲まれた土地の利を活かしたことが何か出来ないか?

世界中の食文化が集い、様々な文化を持った人々が集い、食の起源や歴史に舌鼓を打ちながら未来を語り合う。
そんな場所があったらどんなに素敵だろうと考えるに至った。
大人の社交場に欠かせないものと言ったら、言うまでもなく「ビール」だろう。
そのビールがこの地のものであれば、尚の事いい。

ある時代では労働の対価として、ある国では疫病から命を救う黄金の水として。
禁酒法の憂き目に遭いながらも、何人たりともその文化を根絶やすことは出来なかった。古来から変わらず、廃れず、発展を続け、今尚在るものにはやはり意味がある。

食の文化の起源と謂われるアラビア料理とビールの文化。起源と歴史を辿ると言うならば、一から自らの手で造ろうと、ブルワリー&レストランという事業をこの地で始めるにあたって、私達は耕作放棄地を早速借り受け、手探りで自社ホップ栽培を始めた。

雨ニモマケズ、夏ノ暑サニモマケズ

1年目、今の圃場の約4分の1の面積でスタートしたホップ栽培。
此処、埼玉県の奥武蔵の地域は昔からお茶栽培が盛んだ。元々茶畑だった土壌は酸性の性質を持つ。地中に残るお茶の木の根っこを綺麗に除去し、荒れ放題であった土地を耕した。猪除けの電柵を張り、ホップの蔓を伸ばすために5メートルを超える支柱を立てた。
初めてホップの小さな毬花がひとつ実った時は、社員みんなで沸き立った。

2年目、記録的な夏の長雨が続き、折角実ったホップの花の多くが腐り枯れ落ちてしまった。
収穫量はたったの1バッチ(400L)分。過酷な状況下に耐えて辛うじて実をつけてくれたホップを集め、大事に大事に仕込んだビールはたちまち完売。
初年度のフレッシュホップIPAの完売から約1年、有難いことに心待ちにして下さったお客様は多かった。その期待が私達を更に奮起させた。

3年目、前年の悔しさを挽回するかのように収穫量は好調。フレッシュホップIPAを前年の倍量仕込み、4年目には、国内最大級のクラフトビールの祭典「けやきひろばビール祭り」でこのビールを振舞った。

そして7年目の今年度。ブルーマスターの木村はじめ、今年は大収穫だ!と嬉々として皆でホップを摘みに畑に出向く。過去最高量のホップを使った特別な「飯能フレッシュホップIPA」が遂に完成した。

朝採れフレッシュホップの格別な香りを愉しむためのIPA

私達のホップ栽培は、たった1種類のビールのためだけに1年をかけて行われる。それが毎年9月に開栓される、この「飯能フレッシュホップIPA」だ。
ワインであればボジョレーヌーヴォーのように、その年初めての新酒をみんなで愉しむ文化があるが、ビールには収穫を祝うオクトーバーフェストはあれど、新酒を祝う文化は無い。通常、ホップは乾燥したものか固形状にペレット化したものを使うことが多いからだ。フレッシュホップを使う際でも冷凍のものが大半で、採れたての生の状態のホップを味わえるビールが飲める機会はそう無い。

摘みたてのホップの香りは、青々とした夏草のように爽やかでグラッシー。
1年の内、たった僅かな期間しか味わえないこの格別な香りのために、私達は毎日毎日畑を耕すのである。朝に摘んだ貴重なホップは、香りの鮮度を落とさないようにその日の内にすぐ仕込む。一つ一つホップの花を丁寧に開き、ルプリンの香りを弾けさせる。地道な作業が続くが、その先に待つ期待と歓びが大きい。
このフレッシュホップの香りを最大限に惹き立てるためのIPAというスタイル。敢えて麦汁やモルトの厚みがしっかりと感じられ、安定した濃厚なボディー感をベースにすることで、ホップの爽やかな香りが際立つ。